Nava TR-909クローン 製作記 第1回「準備①部材調達編」

DTM

はじめに

Roland TR-909とは

Roland公式サイトより画像を借用

Roland TR-909という、白い筐体が特徴のドラムマシンをご存じだろうか。その実物を直接見た事も、実際の出音を直接聴いた事も無い方が、今や大多数なのではないだろうか。

1980年代に発売された当時は日の目を見なかった不遇のハードウェアなのだが、その後のテクノやハウスなどのダンスシーンにおいて独創性に溢れる演奏に用いられるようになって大人気を博し、それ以降はあらゆるジャンルの音楽に融合していった。現代において数えきれないほどの楽曲で取り入れられているため、気づかずに聴いていた曲のリズムがそれだったという事例はかなり多いのではないだろうか。

さて、そのTR-909なのだが、1980年代のハードウェアともあって2020年代の今日に現存している個体の数は相当に少ない。そのせいもあってTR-909実機は程度の良いものであれば中古市場は今や80万円はくだらないという、超プレミア品となっている。

TR-909クローンの誕生

そのような背景もあり、今ではTR-909の実機で使う事はまずなくて、各社が発表しているシミュレートされたソフトウェアプラグインを使ったり、実機からのサンプルを素材にして音楽作成する事がほとんどだ。TR-909が発売されて40年余りの時を経ている事もあり、その内容はかなり充実しており、既にオリジナルであるTR-909が実際に使われるシーンというものはほとんど無くなっている。

だが、それだけでは物足りないという気持ちを持つ熱心なファンたちや企業の手により、TR-909のクローンが作り出されている。が、やはり数十年前のハードを本物そっくりに作る事は様々な困難を抱えており、TR-909の実機を求める者が満足しきるものは出る事が無かった。

Navaの誕生

そのような中、TR-909のオリジナルの回路を完全に再現することを目的として2016年にe-licktronicから満を持してTR-909クローンの金字塔となる「Nava」が誕生した。

e-licktronic の公式サイトより画像を借用

主な特徴としては

  • TR-909のオリジナル回路を完全再現
  • 主要ICはTR-909オリジナルを採用(クラップは別ICをデフォルトで使用)
  • 抵抗・コンデンサ等の電子部品は現代のものを使用可
  • CPUはAtmega1284Pを使用
  • シーケンサー部はSH101を踏襲しオリジナルよりも進化

非常に高い品質でオリジナルの音質と肉迫しつつ、現代のパーツを使う事もあって出音や操作性は今どきの音楽との親和性が高くなっており、過去と未来の橋渡し的な機器として成り立っている。

Navaの調達方法

Navaはユーザーの手で組立てが必要なキット製品となっているため、キットの部材を全て各自で集める必要がある。

Nava v1.02 kit

2021年3月現在、Nava v1.02 kit は「Out of stock」つまり品切れとなっている。

e-licktronic
Shop powered by PrestaShop

以前のバージョンである、Nava v1.01 PCBs Set(基板のみ)が販売中となっている。

e-licktronic
Shop powered by PrestaShop

Navaの基板は回路図が公開されているので複製を作ることは可能かもしれないが、その他必要なIC類を手に入れるのが現状は非常に困難となっているため、正直にいうとNavaの作成は個人ではほぼ無理であろう。

主要な電子パーツ

コンデンサや抵抗、ダイオードといった主要な電子パーツはMouserでの入手が簡単にできるBOM(Bills of materials:部材表)が、有志の手により作成されている。

http://www.mouser.com/ProjectManager/ProjectDetail.aspx?AccessID=26a285d084

専用ケース

Nava用にあつらえた専用のケース(NAVA case)がEricaSynthsにて販売中。

https://www.ericasynths.lv/shop/enclosures/studio/nava-case/

MODs(改造パーツ)

Navaの公式フォーラムではNavaの改造について盛んにやりとりがなされている。

Secondary Source Kit

その中でも、NavaのノイズパターンをよりTR-909に近づけるべく改善した改造基板が公開されているため、自分で基板を発注できた(現在リンク切れ)

https://www.oshpark.com/shared_projects/uchHoYHk

かろうじて公開時に注文したので基板は調達できた。

別のリンクで直接注文したものが探し出せたので載せておく(何か問題があれば即削除)

OSH Park ~

代替パーツ

Navaには唯一、オリジナルのTR-909では使っていないIC(BA6110)がkitに入っている。オリジナルのIC(BA662)を敢えて採用していないのは、それが今となっては入手困難な品物であるからだ。

http://www.subatomicglue.com/x0xl0g/ba662a-analysis/index.html, As we all know, the x0xb0x comes with the easier-to-find BA6110 VCA chip, while the original TB303 used the now-extremely-rare Roland BA662A VCA chip.The x0xb0x provides a slot for each of these chips, so we can try each one to see what sounds more like a TB303.
Comparing BA662A and BA6110 vca chips in the x0xb0x , As we all know, the x0xb0x comes with the easier-to-find BA6110 VC...

オリジナルのBA662を探したければebayなどのオークションサイトを漁るしかない。

Roland BA662 for sale | eBay
Get the best deals for Roland BA662 at eBay.com. We have a great online selection at the lowest prices with Fast & Free ...

または、BA662のクローンを手に入れるというのもアリだ。

Open Music Labs BA662 OTA Clone
Open Music Labs BA662 OTA Clone“They just don’t make IC’s like they used to,” and is this case, they just don’t make the...

BA662用変換基板

Navaでは唯一TR-909オリジナルのBA662というものを使わず、安価で手に入るBA6110を採用している。ただ、オリジナルを愛してやまない私としては、ここはBA662を使いたいところだ。ebayで入手できたものの、見かけが同じであるBA662とBA6110ではピン配置が違っているのだ。これを解消するためにピン配置の変換基板を自作する予定だ。

先例としてTR-808でBA662をBA6110に置き換える基板を作った方がいるようなので、その逆になるような基板を作れば良いわけだ。

Roland TR-808 repair
An TR-808 on the bench for a repair. The ‘start/stop’ as well as the ‘tap’ button only worked from time to time as well ...

拙作ではあるが、BA662をBA6110と付け替えを簡単にするための変換基板を作成して、OSHParkにて共有した。

OSH Park ~

色はOSHParkだと紫色になるので、別のものにしたい場合はデータをダウンロードして、各自で好きなところで注文して頂きたい。

ノブ

リアルタイムに音色を変えるのに欠かせないノブ(ツマミ)は各自カスタムして実装する事を前提としているようで、Nava v1.02 kitには含まれていないが、e-licktronicで単品の販売はされている。

e-licktronic
Shop powered by PrestaShop
e-licktronic
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フォーラムの中で、個人で沢山ノブを発注して頒布している方が居るようなので、それが気に入ったのであればコンタクトを取って購入するのもアリだ。

※私もコンタクトを取ってノブを直接購入した

AC-ACアダプタ

NavaはAC-ACアダプタという、一般的によくあるAC-DCアダプタとは違う電源で動作する。必ず適合するものを使用すること。

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NavaTR909Clone製作記

部材の準備ができたら次はパーツリストの編集や道具を揃えていく。以後は当ブログでこのNavaの製作記を進めていく事とする。

Twitter @ponzu_denshi にて、ハッシュタグ「#NavaTR909Clone製作記」で都度その様子もつぶやいていくので興味のある方は是非見ていただきたい。

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